飛鳥色の部屋

人文学徒による屠毒筆墨ブログ

H2O 感想メモ

どもー、飛鳥色です。

今回は『H2O √after and another Complete Story Edition』の感想メモです。

ネタバレにご注意を。あと、ちょくちょく素晴らしき日々とサクラノ詩/刻の話が出てくるので、プレイ済の方がいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

共通

 

・掴みはすば日々サクラノより強いかもしれない。弘瀬くんマジおもろい。いたずら好きの夏目圭とか一番主人公にしちゃいけないタイプだろ。

ケロ枕以外でものっけからギャグで笑うことってほぼないから、序盤のギャグが面白いってだけで相当高評価。

 

 

・場面転換のパターンが多めで良いね。後のケロ枕作品より多くない?

 

 

・デフォルメCGがとにかく多い!そして大体面白い。

「見て分からないの? 道に落ちているパンを食べようと思ったのだけど、パンがないから生えている草を食べることにしたのよ」

「これこそまさしく道草を食うよ。むしゃむしゃ、むしゃむしゃ、うめぇ~~~~~」

ここ特に好き。腹抱えて笑った。

 

 

・全員可愛くて仕方ないけど、強いて言うならゆいが一番好きかな。ゆいは全身が「萌え」で出来ている。なんやねん高飛車ツンデレお嬢様口調ツインテールニーソックスって。ここまで属性コテコテのキャラ2006年当時ですらほぼいないだろ。

あと、はまじちゃんも好きかも。絶対この子の台詞手癖で書いてる。こんな喋り方すば日々でもサクラノでも見たぞ。

 

 

「彼女は、私を見ると叫びました」

「『ひなた! 助けて! 助けて! ひなた!』と」

ここ加法定理。

 

 

 

ゆい√

 

・――田端ゆい、好きだ。大好きだ。

鳥谷真琴とか高屋敷青葉とかにハマってきた人間が、田端ゆいに惚れないわけないんだよな。

 

 

・まだ最初だから断言できないけど、CGの質すごく高かったね。保健室のも海辺のもお気に入り。イラスト描きたいな。

 

 

・踏切のシーンは最早情景描写というより詩に近い。力入ってたなー。

黒のような青。

白のような黄色。

黒のような赤。

赤のような朱。

黒のような黒。

白のような白。

こことか、同型表現を並べて視界の変化を鮮やかに描き出しており、見事の一言に尽きる。琢磨の視界やはやみの風車に代表されるように、この作品は「色彩」が重要なファクターになっていそうね。

 

 

・一番印象に残った台詞は晃一の

「それと同時に…多くの人の幸せを奪ったこの手で…自分だけこんな幸せを掴むことが…どうしようもなく…申し訳なくて…」

ですかね。すば日々ってこの視点が欠けてるっていう批判が度々なされるから、H2Oで出てきたのが意外だった。やっぱすば日々は取捨選択の結果だったんだろうな。あとは以下のツイートの通り。

 

 

・アフター超良かった!!!これがあるとないとでは評価大違いだわ。最後の墓参りのシーンはつい涙ぐんでしまった。

ゆいだけでなく、少し大人になった皆の魅力が最大限に描かれていたね。……ほたるはやりすぎ感なくもないけど。

 

 

・キマイラが登場するのは企画順的にまだ分かるとして、ほたるの服にすば日々の校章マークが描かれていたのは何故なんだろうか。初出ここなのかな?

 

 

「ゆいの唇……やわらかいよね」

「そ、そんなの……、わかりませんわ。比べたことありませんもの」

「そうかも。僕もゆい以外とキスしたことないからわからない」

結論から言うね。この台詞、めっちゃ**嘘**。音羽ちゃんとのキス忘れるな。

まあ人間に限れば最初と言えなくもないか。

(追記)ひなた√にて、音羽ちゃんには琢磨ですら忘れてしまうほどの反ミーム性があることが判明。故意でないなら無罪ですね。

 

 

 

ほたる√

 

・本編はロミジュリって感じだが、ゆい√に引き続きATO-GAMEが良かったねえ。FOOTPRINTS IN THE SANDならぬFOOTPRINTS IN THE SNOWってわけですか。

そんでもってはやみとゆいが主役を食う勢いで大活躍だった。皆さん見ました? あのゆいの可愛さ。雪の中一人で立っているゆいを後ろから抱きしめなかった琢磨は偉いよ。

 

 

・ゆい√の厚焼き玉子に殻が入っちゃうくだり、結局回収されないじゃんと思ったらゆいってメシマズ属性だったのか。いっぱいいっぱい努力して食べられるレベルになったんだなあ。やっぱりゆいなんだよなあ。

 

 

・はやみが琢磨にキツくあたって嫌われようとする場面で思ったけど、H2Oは関係性を別の人物で再現する構造多いよね。晃一・雪那と琢磨・ゆいとか、弘瀬の両親と琢磨・ほたるとか。

悪く言えば関係性のレパートリーが少ないという見方もできるが、個人的にはこういうの大好物。作品を構造的に読み解きたい人間なので、類比・対比がしやすくて助かる。

 

 

・沢衣村ってヒラヒラ服流行ってんの?

 

 

 

はやみ√

 

本編

・本編だけなら今までで一番出来が良いと思う。心情描写が丁寧になされていて、キャラクターの喜び、悲しみ、苦しみ、葛藤などの感情が痛いほど伝わってきた。

特に、3か所ある夕日の丘のシーンはどれも圧巻。再会を誓って別れた一回目、運命の再会を果たした二回目、永遠の別れを切り出された三回目と、同じ場所、同じ時間帯だからこその心情の違いが際立っていて美しかったね。風が凪いで止まってしまった風車も、また風が吹けば一つの色に溶け合うのだなぁ。

「はやみちゃんは、綺麗じゃなかったよ」

「はやみちゃんは、…とても、綺麗だよ」

僕はニッコリ笑った。

ここ特に好き。この台詞を言えるってだけで、視力周りの設定に意味があったと断言できる。

 

 

・はやみを踏まないって宣言した後くらいから、ずーーっと空気が甘々。再会した直後とか、あまりに甘すぎて適宜休憩しないとキツいくらいだった。エロゲにキュン死させられてしまう。

「……そ、それなら…弘瀬は私に、その、メロメロになったりするの?」

「うん」

「…ぷしゅぅ~~~」

はやみさん自滅しすぎなんだよ。可愛いかよ。

 

 

・無印のサブタイトルで何となく察していたけど、やっぱり「砂浜に残る足跡」のお話はH2O時点で出てきていたんだね。3ルートの中だとはやみ√が一番回収が上手かったように思う。

 

 

アフター①

・単なる背景かと思ったら本当に渋谷に住んでんのかい。いくら狭いとはいえ家賃すごそうだな。

しかも東大なのかい。渋谷住みなら下手に井の頭線使うより自転車で行った方が早いと思うぞ。あと、あの年で高めの婚約指輪買えるって相当だし、鉄緑会とかでバイトしてガッポリ稼いでそう。

 

 

・ベッドで俯きがちにしているはやみさんの表情、溜息が出るほど美しかったなぁ。基4先生の俯いた瞳の描き方って一級品だよね。すばひび描きなおし本の白無垢ざくろとか大大大好き。

 

 

・同棲してるのにフェラしたことないはやみさんと比べると、初夜でパイズリフェラしてたほたるさんは相当凄かったんだなと分かりますね。

 

 

「舐める場所でしょ!」

「違うわよ! 神様は舐めるためになんか作ってないわ!」

「作ってるわよ! だからあんな口に収まるサイズなんでしょうが!」

ここ最悪なインテリジェント・デザインで好き。

 

 

・ATO-GAMEってシームレスに視点変わるよね。急に三人称視点になったりするし、すごく独特。サウンドノベル形式って得てしてこういうもんなのか?

 

 

・ゆい×はやみのアナルシーンはケロ枕にしては珍しく刺さった。一方的な力関係ってそそる。

 

 

・ゆいが、ゆいが、ゆいがさあ!!!!!

各話で設定がガラッと変わっていて、後付けしやすいからこそ便利屋にされてる感もなくはないが、本人の性格に照らせば大体納得感あるし、何より可愛すぎるのでOKです。

最後のタバコ吸ってるCGはずるだよ。

 

 

アフター②

 

・色々ツッコミどころがあるような気もするけど、最後のシーンが最高だったので全部ヨシ!

きっと二人の娘の名前は紫苑だね。それかパー子。

 

 

・去年ははやみの誕生日をすっぽかし、今年はプルの件でそれどころじゃなかった琢磨くんの心境やいかに。

 

 

・一回目の情事は前戯の描写が丁寧なのが印象的だった。ちゃんと耳責めしてるの新鮮。大体の人間弱いよな、耳。

 

 

 

はまじ√

 

・ストーリーの展開はここまでで一番好きかも。終盤まで先が読めなくて面白かった。

それよりなによりサクラノ詩、というか春ノ雪との関係性が深すぎる!

 ○草薙、本編よりカッコよくないか?あとなんだその髪色。棗恭介?

 ○ノノ未の年齢が著しく上がっている! そして暴力的! てか美術部全体の治安が悪い! 真琴は何故今まで捕まらなかったんだよ。

 ○春ノ雪にキマイラ店主として出てくると噂の陳さんは警官だった。この人についての説明がなされる日は来るのだろうか……。

 

 

・鈴の音が自転車のベルみたいな効果音してて毎回笑ってしまう。

 

 

「昔から弓張とルーアンの男女はよく交際していたからね……ルーアンはあぶないと思って私が配属されたのかもしれないね……」

雫と心鈴だね。こう振り返ると弓張×ルーアンペアは意外とサクラノシリーズにいないな。

 

 

・ある人物で描かれた心情を他人で再現する手法はここでも多用されていた。ただ、このルートは琢磨で再現するっていうのがニクいところ。

「あなたは……怖いだけ……友達を信じて……裏切られるのが怖いだけ……」

ここも琢磨によるはやみの再演。小日向の血を濃く受け継いだはやみと雪路、そして雪路に似ている琢磨の三者が同じように苦悩し、最後には他者を信頼することで救われるんですね。

 

 

・「今年散った桜も来年にはまた咲き誇る」というフレーズはサクラノシリーズ全体を貫くテーマなわけですが、ここでその原案が示されていたのか。ちょっと長いけど引用させてくれ。

「何もうしなわれてなんかいない……」

「僕たちは何も失ってなんかいない……」

「光を失ったあの夏……」

「そして……光が戻った今ここ……」

「僕は、また指先に世界のぬくもりを感じることが出来る」

「だから……」

「だから……僕たちはまた歩き始めるんだ」

そうなんだ……。

失われるものなんて何もない……。

桜の花が散っても……また来年咲き誇る様に……、

また、紡いでいけばいいんだ……。

それは、前のものとは違うかもしれないけど、それでもいいんだ。

ここらへんはサクラノ詩Ⅵ章からサクラノ刻Ⅱ章までに通じるものを感じる。

 

 

・ATO-GAMEは原義の801かと思ってたら、はまじちゃんが流石のイケメンぶりを発揮していた。琢磨と知り合ってるしはやみ√の後なのかな。

足コキのときのはまじちゃんの表情はたまらなくそそるねぇ。できれば圭にも同じような辱めを与えて欲しかった……と思ったけどEDだから不可能か。

 

 

 

ひなた√

 

・本編の最後は凄まじい喪失感だったなあ。ひなたが消えた後、幾星霜の時が流れ、限りなく感情が透明になる中で、琢磨は一人あの夏の思い出に浸る。喜ぶでも悲しむでもなく、只「在る」ことと只「無い」ことに安らぎを覚えながら。

いったん本編だけを思い出すようにすると、最後の場面が余計身に沁みた。無印って期間も短く攻略人物も少ないからこそ、より「伝えたいこと、たったひとつ」が響きやすいんだろうな。

……なんてことを思ってたらいきなり「魔法少女マジカルひなた」って文字列を見せられたんですけども。この感情のままこれをクリックしろと?

 

 

・ここにきてついに感情が色彩の比喩で表されたね。サクラノシリーズ、特にサクラノ刻は「虚無」から色彩を得ていく形だったけど、H2Oでは透明だった感情が色づき、いずれはまた透明になるというプロセスだった。「擦り切れてしまったあの夏の思い出」を表現するにはこっちの方が適切なんだろう。

わたしの感情は、どこまでも色づいてしまった。

最早あの透き通るような感情はない。

わたしの心は、悲しみ、苦しみ、喜び、楽しさ、その色を帯びてしまっていた。

このひなたちゃんの独白は心鈴に重なるところがある。でも心鈴とは違い、ひなたは死という「永遠」に近しい存在だからこそ、始まりと終わりが透明だったというわけね。

心鈴が「真っ黒のキャンバスに絵の具を塗り重ねる油絵」なら、ひなたは「透明な水に色を落としていく水彩画」というイメージ。自分でも何言ってるのか分からんけど。

 

 

・ATO-GAMEはアナザーらしいハチャメチャシナリオながら、意外としっとりした味わい。ここまで来たら4Pくらいして良かったのでは。ダメすか。

 

 

・その声で魔法少女とか言われたらリルルしか思いつかないんだよな。

ちなみにひなたの声優の成瀬未亜さんはすば日々だと音無彩名を担当していて、リルルの声優は公表されていない。でも十中八九リルルも成瀬未亜さん。彩名みたいな声も出せるのすごいよね。

 

 

「ほわぁ?…琢磨ぁ…わたしの酒がぁ…飲めないっていうのかぁ~~!」

ノメナイッテイウノカァ~~!!

 

 

「言葉では…言い表せないものが…あるんだな」

「言葉の追いつかないものが…語り得ないものが」

「そうだね……だから」

「?」

彼女の手のひらが、俺の指先を包んだ。…ギュッと。

「伝えられることくらい…伝えたいと思うんだよ」

「言葉にできることくらい…言葉にしたいと思うんだよ」

ここ、あからさまにウィトゲンシュタインだ。√aaaの時点で使われていたのか。

ちょっとだけ終ノ空remakeの音無彩名の台詞を思い出した。

「祝福は必ずしも言葉ではない」

「沈黙という祝福もある」

「いいえ、むしろ多くの言葉の先に沈黙がある」

「すべてのものが解決した時こそ、生の本当の問題は始まる」

「解決されるべき事象は、すべて明晰に解決されればいい」

「戸惑う必要なんてない」

「語られた先で、見つめればいい」

いざ読み返すと因果が逆だしあんまり関係ない気もするけど、せっかく引用してきたので載せておきます。

 

 

「そういう問題ではないの。…琢磨にはしっかりと反省してもらわないといけないのだから」

「琢磨君」

「ひなた」

「「ハンセー」」

俺は頭を下げて、ちゃぶ台に手をついた。

「猿回しすな!」

ここツボりすぎてしばらくヒィヒィ言いながら笑ってた。

改めて読んでも笑っちゃう。

 

 

「ボクの心が…世界の中にとけるとき…ボクは、永遠の一側面…真理の解釈の一つになる」

「そのとき…ボクの気持ちは…悲しみも…苦しみも…楽しみも…喜びも…薄められて…名付け得ない一つの感情になる」

(中略)

「この悲しみを今は…感じていたいと思うんだよ」

「…悲しみを?」

「そう…悲しみさえも」

「…喜怒哀楽…ボクのもっているすべての思いをかけて…あなたを愛していたいの」

悲しみを喜びの対立軸に置かず、悲しみを含めた感情全てを「透明」と対置して愛情の糧とするのは中々ここまでのルートになかった視点。喜びと悲しみは表裏一体って話は後のケロ枕作品でも頻出するテーマだね。

 

 

・最後に陳さんから琢磨の眼の答え合わせがあった。ひなたは生の世界と死の世界の境界にいたんすね。……あれ?最近どこかでそんな話を聞いたことがあるような……?

というわけで、高島ざくろの境界性について考察した記事を最近書きました。未読の方はぜひ読んでください(ダイマ)。

note.com

 

 

 

ほたるアナザー・はやみアナザー

 

・両方の共通点が明確で、制作側のやりたかったことが分かりやすいね。それすなわち「何度も作中に登場した悪夢の克服」と「学園時代のほたる・はやみとのSEX」。

「すべて忘れても、忘れ去っても尚、覚えているのは、夢に見るのは」

「この悪夢を…悪夢のままにしたくないから」

「救われるときを…待ち続けていたから」

はやみアナザーのこの台詞が象徴的に表すように、「大事なこともいずれ忘れていく」という本作のテーマを「忘れないものは大事である」と反転させ、作中の悪夢に救済を与えていた。

二人のエッチについても救済要素ではあるのだけど、こうなると唯一学園時代の年齢でエッチできていないひなたが不憫になってくる。ゆいすらできてるのに。

 

 

・はやみアナザーはマジで「顧客が本当に必要だったもの」をお出ししてくれた。はやみとゆいの和解は何回も描かれていたのに対し、はやみとほたるの和解ははやみ√だと全然描かれていなかったもんね。

そして、加害者側のほたるが苦しんでいる様子がたっぷり見られて良かった。琢磨くんが加害者側をあんまり軽蔑しないせいで、加害者側が苦しむ描写が割と薄めだったから、そこの補完にもなっている。罪悪感に苛まれる女の子シコすぎる!!!!

 

 

・陳さんがサクラノ詩本編で消えた理由が何となく分かった。この人ギャグ時空じゃないと扱いづらすぎるよ。

 

 

 

総評

 

・普段はえろすけ中央値90点以上の作品を中心にプレイしているのだけど、本作は中央値75点なのでプレイ前の期待値は低めだった。でも、終始良い意味で予想を裏切ってくれた。

中央値90点以上の作品って、心を大きく揺り動かされる作品が多いんだよね。例えば嗚咽するほど泣いたり、しばらく立ち直れないほどの激しい喪失感に襲われたりする。

それに対してH2Oは、なんというか心にスッと染み渡っていくような作品だった。この展開がいい!このシーンが泣ける!ってよりも、終わった後に仄かな温かさが残るような、そんな作品。今、しみじみとプレイして良かったなあと思っている。

 

 

・徹頭徹尾「色彩」を中心として物語が回っており、それが方々のテーマに統一感を与えていた。ひなたちゃんの「透明から生まれて透明に帰っていく」って話が作品全体にも当てはまると思う。

色彩感覚がサクラノシリーズのような油彩というよりも水彩に近いから、色が滲んだりぼやけたり溶け合ったりするんだよね。心情も風景も「色彩」を基調に統一されているからこそ、夕日の朱に悲しみの青が溶け出すなんてイメージすら思い描けるわけで、それが本作の持つ独特な淡い印象に繋がってるんじゃないかな。

 

 

・一番好きなキャラは間違いなく田端ゆい。でも、それはそれとしてここまで全員好きになったギャルゲは初めてかもしれない。俺が今までプレイしてきたギャルゲよりもいわゆる「キャラゲー」の要素が強いからかな。

「キャラゲー」でも「先を読みたい」と思わせる力が強ければ飽きずに読めることが分かったので、今後のエロゲ計画も考え直さないと。

 

 

・最優秀CG賞は大変悩みましたが、雪が降る中でこちらを向いているゆいのCG(ほたるアフター)とさせていただきます。デフォルメ部門は、ほたるの弁当を教室で楽しみにしてるやつ。

 

 

 

 

サマポケRB 感想メモ

どうもどうも、飛鳥色です。

 

今回はサマポケRBの感想メモです。ネタバレ注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロローグ

 

・最初の選択肢がこんな重要なことある??

ずっとルシファーイジリされてます。助けてください。

 

 

・いつもはエロゲばっかやってるから、「小学生」とか「17歳」とかストレートに言ってるとちょっとドキッとする。登場人物って全員18歳以上じゃなくても許されるんだ。

 

 

・しろはが背中側からこっち見てる立ち絵、何かに似てると思ったらクチートだ。ポニテにしたら完全クチート。

 

 

・大事な場面で流れるマーチみたいなBGM、めちゃくちゃいいね。1ループ長いし。

どうせ終わった後はこのBGM聴くだけでボロボロ泣くようになるんでしょ。そっちの魂胆は分かってんだよ。

 

 

・今んとこ一番好感度が高いのは天善。理由は卓球が楽しいから。

30分近く打ち合ってたせいで、他のヒロイン全員分よりも天善のボイス聴いてる気がする。

 

 

・まあそれは冗談として、うみちゃんが大変可愛い。妹キャラのエッセンスを煮詰めたようなキャラだね。妹じゃないけど。

とりあえず一周目はうみちゃんと巨乳のお姉さんを狙ってみようと思います。

 

 

 

 

天善√(?)

 

・うみちゃんが全然マップに出てこないからずっと卓球してた。

その後うみちゃん倒したり駄菓子屋行ったりお参りしてたらあっという間に本選。うみちゃん√に行きたいのでうみちゃんを相方に選んだ。

 

 

・他のキャラと相方組んでないから知らないけど、うみちゃん強くね?

序盤は回復でHPの優位を保ち、こちらのラケットが飛ばされたらフライパンを渡し、ピンチになってからは島モン召喚の圧倒的暴力で破壊する。玄武が蒼のゲージ半分ふっ飛ばしたときは笑うしかなかった。

絶望モードを選択した結果、決勝で再戦した後にクリアできました。イナリの意味不ショットを全部うみちゃんが処理してくれた。うみちゃんありがとう。

 

 

・チャーハンは火力が命です!←かわいい

 

 

 

 

うみ√

 

・間違いなく声優さんの演技がうみちゃんの魅力を数倍に押し上げている。終始上手かったなあ。いい意味で感情が乗ってないというか、肩肘張らない感じが凄く合ってた。

サマポケ、全体的に声優さんのレベル高くて良いですな。普段は古いエロゲばっかやってるから余計感じる。

 

 

・終盤のうみちゃんはずーーっと素直でほんま可愛い。出てくるたびマウスカーソルで頭なでなでしてた。

 

 

・なんでうみちゃんは羽依里と一緒に帰らなかったんだろ。夏休みの期間違うの?

 

 

良一「羽依里……勇者と愚者の境目は見極めた方が良いぜ?」

ってとこ、ただのギャグシーンの割に含蓄が深くて好き。

 

 

 

 

静久√

 

・シナリオの展開自体はそこそこ。だが、記憶と忘却、本音と嘘、出会いと別れみたいな対立軸で心情を描き出す手法が本当に鮮やかだったなー。感動して特に後半はボロボロ泣いてたけど、それはそれとして「上手さ」が光る√だった。

紬の相談に対する静久の返答を紬の感謝の手紙で回収する下りとか、シナリオが理論的に構築されてるっていうのがよく分かるよね。

 

 

・嫌な記憶と恋愛事の記憶を忘れるっていう設定、めちゃくちゃR18に活かせそう。

しかも身体は覚えてるんでしょ?あかん、開発されてまう。

 

 

・主婦Bにせよ徳田にせよ静久の母にせよ、「あからさまな悪者を作らない」っていうのが明らかに徹底されてるよね。嫌なだけのモブっていうのが存在しない。

閉鎖的な離島が舞台だから嫌な奴を出しづらいのもあるんだろうけど、何よりも「ひと夏の思い出を眩しいまま残そう」という意図が感じられる。余計なノイズを排除しようとしている印象。

 

 

・台風の夜に一回、紬が帰った後の灯台で一回Hシーンが挟まっていたと思うんだけど、全年齢版は削除されちゃってるのね。かなしい。

基本的にピュアピュアなのに、やたらおっぱい触らせようとしてくるのエッチだったのになー。

 

 

・付箋が舞い散るCGは今んとこベストオブCG賞です。演出と相まって最高だった。

 

 

 

 

鴎√

 

・ずるい。keyってずるい。こんなの泣くに決まってる。

冒険でプレイヤーを徐々に物語へ引き込んでから、鴎の消失で一度全てをひっくり返し、終盤は怒涛の展開とkeyお得意の泣きゲーパターンで涙腺にダイレクトアタックする。この序破急がバチっと決まったルートだった。

 

 

・5円チョコ山ほど買ったら専用メッセージと称号ゲットでワロタ。
なんだろう、この敗北感は。

 

 

羽依里「この波にのるしかない――」

のるな。この作品全年齢ですよ羽依里さん。

 

 

・この蝶はどういう存在なんだろうね。記憶とそれに準ずる物質を保持できるのか?実は鴎自体も蝶が保持していたなんて可能性もありそう。ま、蒼√やれば即分かるんだろうけど。

おすすめの攻略順を調べたとき、「蒼√で蝶の説明が入るから最初がいい」とか書いてたけど、こうやって考察する種を自分で摘んで何が楽しいのかって話よな。

 

 

夢を、見ていたんだろうか。

いや、もう、そんなことは考えない。

この夏のことが、夢でも幻でも。

俺は、俺の信じたもののために、残りの時間を使おう。

夏休みを、過ごそう。

ここが特に印象的だった。静久√もそうだけど、羽依里は「自分の意志」で進もうとするのが好感度高いよね。

水泳から逃げた過去の克服も含め、個別ルートなのに他者に依存しない行動を選べるのがかっこいいと思う。そういう人間だからこそグランドエンドも映えるんですよ。そうだよな、直哉。

 

 

 

 

美希√

 

・ここまで言ってなかったけど、キャラデザと性格はのみきが一番好き。とりあえずエッチできて良かったです。

 

 

・FGOのイベントシナリオみたいなとんちき感溢れる夢の世界が中々良かった。最後の夢との落差を演出できるという意味で、必然性もあっていいね。

関係の成立を終盤まで引き延ばすにあたって、静久√と似て非なる手法を使っているのが興味深い。

 

 

・すば日々ファンとしては、やはり飛び降りのシーンはたくきみを思い出さずにはいられなかった。女の子側が「馬鹿」って言うとこまで同じ。

全てを受け入れて落下していったたくきみとは違い、ひたすら希望に向かった跳躍なのが良い意味でサマポケらしさなんだろうな。

 

 

・ここまで携帯とかスマホとか全く出てこないけど、サマポケっていつぐらいの年代の設定なんだろう。

鴎√の最初の方で「教えてあげないよ ジャン♪」とか「どんどんかばちょっと」とか言ってたから、鴎って少し過去からやってきたのでは?と考察してたけど、そもそも舞台が過去なのかね。単なるシナリオライターのおっさんギャグという可能性は……割とありそう……。

 

 

・最後の夢の世界は美希の深層心理なのだとしたら、それ以外は羽依里の深層心理なんだよね?

蝶の仕組みは最後に蒼が簡単に教えてくれたけど、羽依里が夢の世界に行く理由と蝶の関連性がいまいち見えなかった。美希の記憶から生まれた蝶がなぜ羽依里の明晰夢を引き起こすんだろう?近づいた人自身の願望を夢として見させる効果もあるのか?静久√と鴎√と美希√、三者で微妙に蝶の働きが違う気がする。

 

 

天善「2人でダブルスを楽しむつもりか!」

2人じゃダブルスは楽しめないだろ。

 

 

 

 

紬√

 

・日常の極致。夏休みの具現化としてこれ以上ないルートだった。

これまでで一番何も起きないルートだったし、残りもここまで何も起きないルートはないと思う。なのに鴎√と張り合うレベルの素晴らしいシナリオを作れるんだから、感服する他ないね。

物語の駆動を出来事に頼らないのって、起伏が少なくなる分相当難しいはず。そんな難題に正面から立ち向かったからこそ、何でもない日常にプレイヤーが愛着を覚えるようになるし、寂寞とした読後感を与えることができるんだろうな。

 

 

・こっちのルートを先にやった人は静久について何も分かんないまま終わるよね。おっぱい大好きな紬の友人以上の情報があんまり出てこない。どっちのルートを先にやるべきかは諸説ありそうだなー。

 

(追記)静久√再走したんだけど、最後のCGにクマのぬいぐるみあったんだね。じゃあ絶対紬√が先の方がいいわ。

 

 

・静久√の嘘の下りとか付箋の紙吹雪の下りって、紬√のエイプリルフールとお花見を翻案したものなんだろうね。やっぱり静久√って上手かったんだなと再認識した。

 

 

・紬の眼、なんでか分かんないけどすごく綺麗。グラデーションが上手くいってるのかな。

サマポケ独特の瞳孔が開いたような瞳の描き方に不思議と馴染んでいて、エメラルドのように美しく感じる。

 

 

・このルートの男友達二人は他よりもイケメン度高い。直前に美希√やったから余計に感じる。良一は脱がない上にしっかり怒ってくれるし、天善は花なんて持ってくるし。

 

 

・おばあちゃんの乳袋、想像しただけで嫌すぎるから今後日常会話で使いたい。

 

 

水泳が出来なくても、水泳が好きなように。

紬といられなくても、紬と恋人になったように。

放っておけない辛い気持ちと隣り合って、それと一緒に生きていく。

紬と一緒にいて気づいたのは、そういうところだ。

最近絵を描き始めて、全く思い通りにいかず辛い思いばかりしているから、この台詞は大変刺さった。自身の行動原理を利害だけで考えてしまうと、むしろ泥沼にはまっていくんですよね。

 

 

鴎「スーツケース放置して、私も行方不明になるからね」

それは、心臓に悪いからやめてくれ。

経験者は語る。

 

 

 

 

蒼√

 

・無印で初めて泣かなかったルートなのに、終わった後の喪失感がすっごい。なんでだ?

ずっと二人で濃密な時間を過ごすっていうルートが今までほとんどなかったからかな。

 

 

・藍と蒼の対比とか、「おはよう」の反復とか、受験国語に出てきてもおかしくないくらい構造がしっかりしてた。最後の「おはよう」に傍線引かれてそう。

 

 

・セックスの匂わせが激しすぎます。全年齢だからそういうのやらないのかと思ってたわ。

ところで、サマポケエクスタシーの発売はいつ頃になりますでしょうか。

 

 

・ReSTARTからの唐突なタメ口うみちゃんにびっくり。これはこれで可愛いんですけど、意図が全く分からない。

蒼√含め個別ルートでもうみちゃんが喋ってる箇所そこそこあるのに、その全てで2パターン収録してるってこと?話の内容は大して変わらないのに?本当になんで?

もしかしてうみちゃんって超重要人物なのか?鏡子さんが島に二人を呼んだ真意とか、グランドエンドで明かされるのかな。鏡子さんがラスボスだったらおもろい。

こんな感じで。

 

 

 

 

しろは√

 

・なーーんか、単体での評価に困るルートだ……。個別ルートというよりも、グランドエンドに直接つながるお話って感じ?

時の編み人とか迷い橘にいるうみちゃんとか、超弩級の伏線が急にドカドカやってきて、先が気になって仕方がない。

 

 

・内容は相変わらずモチーフの使い方が上手いって印象。作中で何度も繰り返される「溺れる」状態に、二羽の鳥、渦、光などのイメージを変化させながら絡めることで、羽依里の心情の変化を巧みに描き出していたね。

俺は。

水面の向こうで、太陽の光を受けてきらめく輝きを見ていた。

あのまぶしさを知っている。

楽しかった夏の光だ。

もう一度。

手を伸ばして掴みたかった。

……大きな渦。

それが運命というものの正体なら。

流されず、立ち向かっていくしかない。

この辺りとかすごい。情景描写のお手本みたいだ。

あと、蒼√は藍と蒼の類比構造が主だったけど、しろは√は羽依里としろはの類比構造が前面に押し出されてたな。そういった意味でもグランドエンドに近しいルートと言えるんじゃないでしょうか。

 

 

・密かに鴎としろはの絡み好きだったから、全く出てこなくてちょっと残念。あの二人、並ぶと白黒ロングでビジュアルの収まりがいいんだよな。

 

 

 

 

識√

 

・手を結ぶ所作を鬼ごっこと結びつけるのか!いやはや、すげぇ。

どのモチーフを主題にするか考察しながらやってたのに、想像を完全に超えられた。俺がこんなシナリオ思いついたら気持ち良すぎてXでイキり散らかすと思う。

 

 

・そういえば羽依里の過去に触れなかった唯一の個別ルートじゃない?溺れる描写はあるんだから、無理やりでもねじ込むことはできただろうに。

エンディング後のCパートがないこと含め、意図的に羽依里の主体性や成長を後景化したんだろうな。その分シナリオとヒロインの魅力に焦点を絞れていて、気持ちよく泣けたし。個人的にはテーマぐちゃぐちゃの方が好きだから、そこは好みだけどね。

 

 

・あの、うみちゃんの知能がどんどん下がっているのですが……。可愛いけどそれ以上に怖い。ループする度に七影蝶がうみちゃんから漏れ出してるんですか?

 

 

 

・「最初読んだとき文書に鬼姫のことが書いてあった」って識が言ってたけど、識が文書を読んだ翌日の描写と明らかに矛盾してるよね。

もしかして、羽依里だけが過去の改変や世界線の変化に気づけて、その事実を伝えることで他人もその事実に気づけるようになるのかな。某オカリンみたいに。

 

 

天善「せめて、人並みの乳を身につけてから出直してこい」

人(静久)並み。お前、結局おっぱいかよ……。

 

 

 

 

ALKA

 

・はーーー、泣いた。いい場面でいい曲流すの反則。追い打ちしないで。

紬√と静久√と鴎√のいいとこどりみたいなシナリオだった。しかも対象がうみちゃんなんだもん。泣いちゃうに決まってる。

 

 

・ほんとにポリンキー伏線だったのかよ。150年前の嘉永が1848年から1855年までだったりとか、ところどころに年代の伏線あったんだね。

まさかAIRの発売より前の話とは。いや、AIRはさらに1000年遡るけどさ。

 

 

・うみちゃんが近所の子どもに一緒に遊ぼって言うところで号泣した。サマポケって子どもが欲しくなるタイプのVNだったのね。サマポケは人生。

 

 

俺も、泣いていた。

泣いていた、なんてもんじゃない。

顔中が、涙と鼻水でグショグショだった。

俺も!奇遇だね。

 

 

 

 

Pocket

 

・終わったばかりというのもあって、「良かった」以外の感想があまり浮かんでこない。

良かった。です。

 

 

ただ、あの日、まぶたに感じたまぶしさだけは忘れなかった。

多分、無印はここで終わりなんですよね?余韻ある終わりでハッピーエンドじゃないって聞いたし。

最初の台詞が最後で回収される構造が美しすぎて恐ろしい。しかもこの箇所ってALKAじゃなくて、Summer Pocketsという作品自体にもかかってるよね。

俺にとっても、この夏の眩しさはしばらく瞼にこびりついているだろうな。

 

(追記)サマポケのアニメ観たんだけど、羽依里がずっと蔵の整理してる夏の下りまでやってた。多分無印もここまであったんだろう。十分ハッピーエンドじゃん。

 

 

・鏡子さんになんらかの説明が入るかと思いきや更なる謎をぶちまけられて終わった。これはkeyからの挑戦状と受け取っていいんですか?このあと考察します。

 

 

 

 

総評

 

・なーんも考えずにやっても、ストーリーが破壊力満点だから気持ちよく号泣できるはず。ただ、掘れば掘るだけ味がしてくるタイプの作品だと思う。

まず、シナリオに感心させられることが多い。モチーフの反復や変奏が本当に上手く、冒頭でさらっと提示した主題を最後に回収したりとか、構造がよく練られている。*1

そして、謎や伏線の管理がとても適切。俺が1周目で気づいた範囲でも色々あるんだから、2周目以降は「ここはこの伏線だったのか!」ってのがたくさんあるんだろう。あえて(あえてだよね?)謎を残すのも、考察のために再走する動機を与えてくれるし。

 

 

・中高生のうちに初プレイした人は、大人になってから改めてやって欲しいね。前述したシナリオの上手さに加え、大人になると「もう戻れない夏休み」を実感持って楽しめるんじゃないかな。少なくとも俺は自分の学生時代を思い出しながらプレイしていた。

 

 

・RBで追加の3ルートはかなり鳥白島へのフォーカスが強かったのが印象的。終わりが見えるにつれてどんどんストーリーが島から離れていくから、そこら辺のバランスを取ろうとしたのかな。とても聖地巡礼したくなりました。

……実を言うと、来週行く予定の香川旅行のついでにサマポケ聖地巡礼しようと思って、急ピッチで進めてたんだよね。不純な動機で本当に申し訳ない。

 

 

・一番好きなキャラはのみき。僅差で鴎。

一番好きな個別ルートは鴎か紬。特別賞は静久。

一番好きなCGは強いて言うなら3人の花火かな?平均点なら蒼が一番かも。つばす先生最高。

 

 

 

 

考察コーナー

 

・時の編み人

ループをはっきりと認識できる側の存在。しかも「異邦」とか言ってるから島側の存在。そんで私たちって言ってるから鳴瀬家の女の皆さんかなーとも思ったけど、なんであんな敵対的なんすかね。

こんな個別ルート行ってないでALKA行けよって意味?にしては言い方キツくない?

 

 

・鏡子さん

まず、未来から来たうみちゃんを「手紙で呼んだ」と言っている時点で、明らかに事実を知った上で隠蔽している。また、蔵の手伝いも(Pocketで必要性が示されたのに)行わせていない。さらに、七海に「初めてではない」と言っており、うみちゃんが忘却した世界線の記憶がある。ここら辺から、うみちゃんより高い記憶保持能力の持ち主なのではないだろうか。

ただ、瞳が遠くの未来まで見通せる能力を持っており、うみちゃんや七海の存在すらも事前に予知し、それを鏡子さんに伝えた可能性もある。その場合は鏡子さんの推定能力は下がる。

おばあちゃんは分かんないけど、羽依里もうみちゃんも現実改変や時間遡行にある程度抗って記憶を保持してそうだし、加藤家全体にそういう能力があるんじゃないかなって。羽依里は識√以外忘れまくってへじゃぷだらけなのは一旦置いといて。

ちなみに、苗字が変わっている理由は全く分からん。没設定とかあるんじゃないスか。

 

 

・その他

七海のポケットに入ってた羽って結局なんだったの?

「影法師さん」は誰なんだろう。消えたうみちゃんが七海になる前の時系列だとしたら、瞳や識くらいしか当てはまらなくないか。てかあれって二回目どうやって見るんだ。

うみちゃんが夏休み中に帰るルートって、加藤家を離れるけど時間遡行はしてない状態なのかな?帰る家ないのにどこいるんだろ。迷い橘で待機してるのかとも思ったけど、そんな必要ないもんな。クリア不可能だからAFKしてる?

 

 

 

 

 

*1:そもそも俺が作品を構造化しながら読むようになったのがごく最近であることに注意。もっと上手い作品山ほどあるよって言われても反論できない。

家族計画 感想メモ

どうも、飛鳥色です。

 

今回も感想メモです。『家族計画』『家族計画 ~そしてまた家族計画を~』のネタバレ注意です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

共通

 

 

・最序盤から俺の意志が選択肢に全く反映されないんだけど!?「追わない」って選んだんだから追うなよ!

 

 

・田中ロミオ氏はちょっとした日常の一コマで心情や情景を表すのが上手いねえ。いい意味で小説向きな文体って感じだ。

「酒もある。それに、今日はいい夜風が吹くしな。」

「俺はリモコンに手を伸ばしてテレビを消した。」

「薄闇が部屋に満ちた。」

こことか一つ一つの語彙は凡庸なのに、まるで司と同じ感覚を共有しているかのような錯覚に陥るよね。読んでて一瞬頬に風を感じたもん。

大枠のシナリオとかも当然大事なんだけど、こういう細部を大事にしているエロゲは没入感が違うんですよ。

 

 

・とりあえずOP~。なんと言いますか、登場人物変な人ばかりだな。司もだいぶ変な人ではあるんだけども、他の登場人物のタガが外れすぎている。ゼロ年代前半エロゲらしいといえばらしいのか?

大なり小なり皆おかしいんだけど、特に真純と寛と青葉がやべえ。吹とか優美ってマイルドだったんだな……。

 

 

・普通物語って曲線的に上ったり下ったり逸れたりするものだけど、家族計画は数百クリックごとにカクっと折れ曲がったり千切れたりするような印象がある。場面転換に脈略がないというか、5分アニメの集合体みたいというか。

それだけ奔放なのに、ストーリーを振り返ってみると一本の筋が通っているように思えるから不思議だ。

 

 

・他の皆とはとんちきな会話を繰り広げているのに、準との会話だけやたら生々しくてウケる。こいつだけエロゲしてる。

あの日、シーツに染みた血のあとを心のよりどころとして。

こことかすごい。もはや短歌の域。

あと、久美景も同様の生々しさがある。司への好意が空回りしている感じに共感性羞恥が発動してしまって辛い……。久美、分かるぜ、その気持ち。

 

 

・今のところ一番好きなのは春花。にへらと笑う差分がとにかく可愛い。なので春花√を目指してたら、家族計画が破綻してBAD ENDいっちゃった。

もしかして青葉の好感度が一定以上ないと家族計画が成功しないのか?と思い春花と青葉だけを選んだところ、無事青葉√に突入。なんでやねん。

 

 

 

 

青葉√

 

・ちょっと、最初にやったの間違いだったかも……。

これがTRUE ENDでも文句ない。俺が求める全てを提供してくれたシナリオだった。

ED見た後タイトル画面でさめざめと泣くやつを最初の√からやってる。

 

 

・この√のテーマは「自分の弱さとどう向き合うか」って感じなんですかね。

似ているようで全然違う、全然違うようでどこか似ている二人が、真に相手を信じあって支え合う。そこまでの過程を丁寧に描写していた感じがします。

大地を覆う氷雪がゆっくり溶けていくような、そんな√でした。

 

 

・EDのスタッフロール見るまで青葉が北都南さんだと気づけなかったことをここに懺悔いたします。声の幅広すぎだろ。

 

 

・一番印象に残った台詞は

軽く得た者は、失っても別に痛くはない。

強く得た者は、失うことで耐え難い苦痛と苦しみを身に受ける。

だね。

境遇に差こそあれ、人々が当たり前に持つ「幸福」を理不尽にも奪われた二人だからこその台詞だ。

さらに、「苦痛と苦しみを身に受ける」ことで、「強く得る」ことの(文字通り)有難みを知ることが出来ると。もうエロゲというより自己啓発とかそういう類に思えてきた。

 

 

 

 

 

春花√

 

・展開自体はまあ概ね予想通りですかね。中国に強制送還されてもまあ会いに行けるしな、とは思ってた。でも春花が可愛いから100点。でもエッチ少ないから-10点。

ところで、劉さんが春花を警察に引き渡したのは結局なんのためだったんだろ。劉さんほどの人が司の持つ春花への愛情を過小評価するはずがないと思うんだけどなあ。見落としてたら教えてください。

 

 

・賛否分かれるとは思うんだけど、俺は田中ロミオ氏のギャグめっちゃ好き。司がマスク被る下りで大笑いしてた。

ビジュアルノベルの評価って、ギャグが合うかどうかがかなり重要だよね。

 

 

一番印象に残ったのはここ。

生きていけば、いくらでも返すべき恩義が増えていく。

今はそれが嬉しかった。

あの司くんがこんなこと言うようになるなんて……。お兄さん感動しちゃった。っぱエロゲは主人公の成長を見せてナンボっしょ。

 

 

(追記)ごめんなさい、後から見返すとこの√だけやたら感想薄いですね。

春花は好きなんだけども、直前の青葉√に心を持って行かれていた可能性がある。

 

 

 

 

 

真純√

 

一番恋愛の必然性が低いヒロインだからか、恋愛感情を問われる場面が多かった印象。

家族計画と個人の愛情の矛盾ってテーマは先の二つもうっすらあったけど、この√は特に前面に押し出されている気がする。相変わらず司は自分の本心に無自覚だったけど。

 

 

・他√で散々擦られてた「馬鹿かもしれないけど……野郎じゃないもん」が本当に聞けて何故か嬉しかった。

 

 

・命がけの救助、ヒロインの成長、死別した母の思いと、文面だけだとかなり陳腐な展開。でもその一つ一つの心内描写が上手いから毎回心を揺さぶられてしまった。

攻略順調べたとき、真澄√は評価低いから先に回すべきだと言ってる人が多かったけど、個人的にはかなり好きな√だったなー。エロゲをいっぱいやってる人ほど既視感が強いのかもしれない。面白さは抜きにしても、ネタバレあるから青葉√の後が良いと思う。

 

 

・上記にも関係するのだが、この√は家族よりも愛を前面に押し出してたね。良くも悪くも一般的なエロゲの範疇に収まっていて、そこが賛否分かれる原因なのかな。

 

 

・本編とEDで二回も嫌いだったって告白してて面白かった。そんなに嫌いだったのかよ。あんまそんな素振り見せなかったけど。そして俺は別に嫌いじゃなかったけど。

 

 

一番印象に残ったのは

彼女が俺のために不幸になった。そう思うなら、今度は俺が彼女のために不幸になってやればいい。

けど仮にそうなったとしても、俺は不幸だと思わないだろう。

人と繋がるというのは、そういうことだ。きっと。

ってとこ。そういうことです。きっと。

ただ、これを貫き通すのは本当に難しいのです。永遠に続く愛など存在しないのです。いつか気づいてしまうのですよ、不幸は不幸でしかないということに。

 

 

 

 

末莉√

 

・あくまで個別ルートという前提で、一番「グランドエンド」に近しいルートだったなー。各人の退場の仕方も他より丁寧だったし、性行為の描写もなんとなく気合入ってる感じがした。

そして努力が報われないみたいな話読むと無条件で泣いちゃうから、いつも以上に顔面ぐちゃぐちゃになってた。

 

 

・景が準になりすまして末莉を迎えに行くとこでクソ笑った。コントじゃん。

てか飯ごう辺りから退場するまで景なのか準なのかよく分かんないし、おまけに司がどっちだと思ってんのかもよく分かんなかった。馬鹿には厳しいよー。

 

 

・青葉成分が強めで大変助かりました。この√で一番イケメンだったのは青葉だな。

 

 

・司くんが大げさなくらい付き合うことをためらっていて安心した。主人公がほいほいロリと付き合ってたら「倫理観ないんかこいつ……」ってなるからね。どれほど好かれてたとしても、20歳が14歳(推定)と付き合うのは流石になあ。

 

 

・ハチマキどんだけ持ってんねん。極右末莉概念を流行らせようとすな。

 

 

・いくらなんでも子どもの育成方針狂いすぎでおもろい。

ほぼ話さずに首からかけた貯金箱で意思疎通する女の子はもう個性の域を超えてるのよ。

 

 

・一番印象に残ったのは、ちょっと長いけど

俺を絶望の淵から引き上げた糸は、今もこの手にある。

『それ』は、ただもたらされるだけのものじゃない。

時には奪われ、途切れ、絡まるものだった。

糸。

人はその糸にはすがらずにはいられない。

だからなくしてしまうともう半狂乱で、絶望し、憎悪し、狂っていく。

しかしそれは、紡ぐことができた。

話し、触れ、伝え、与え、泣き、怒り、笑い、許し、待ち、教え、学び……。

無数の小さな接触が、よりをかけて糸を丈夫に育んでいくのだった。

ってとこ。この√だけでなく、作品全体を上手く言い表した名文だと思う。

リメイク版のタイトルの「Re: 紡ぐ糸」もここから取られてるのかな。

 

 

 

 

準√

 

・末莉√がグランドエンドなら、準√はハッピーエンドとかトゥルーエンドだな。あまりにも温かい……。これが最後で良かったと思う。

 

 

・真純さんとの別れは何故か他√より丁寧に描かれてたね。良き。

末莉も春花も青葉もそうだけどさ、本人の√やってそのヒロインの辛さを十分知っちゃってるからさ、いちいち感動しちゃうのよ。

 

 

・景は本当にいいやつ。好きな男と暮らせるってときに「ここにいちゃダメ」なんて言えるか?心から景にも幸せになって欲しいと思ったっす。

 

 

・一番印象に残ったのは

準は少し伸びをするようにして、

本当の俺に触れた。

です。「本当の俺」って!なにそれすご!

一作しかやってないから見当違いかもしれないけど、田中ロミオ氏って凡庸な語句を斬新な用法で使うのがビビるくらい上手いよな。分かりやすいのに新しくて、聞いたことないのにしっくりくる。不思議だ。

 

 

 

 

 

そしてまた家族計画を

 

・全体の感想としては、ずるい。この一言に尽きる。

泣きすぎて机ビッチャビチャになった。

 

 

・なんで3Pするんだよwwwってゲラゲラ笑ってたら末莉辛かったんだね……ごめんね……。

でも前作含め唯一興奮したエロシーンだった。

 

 

・とにかく喪失感がすっごい。もう皆に会えない&もう皆死んじゃったのダブル喪失感に圧し潰されています、今。

良い作品って現実に還ってくるまでがキッツいよなぁ。何回経験しても慣れる気がしない。

 

 

 

 

総評

 

・名作です。これは紛うことなき名作です。俺は折に触れて思い出すんだろうな、この作品を。

何より、この文章量、このクオリティの作品が25年前に出ていた事実が衝撃的。ゼロ年代エロゲを永遠に擦ってる懐古おじさんの気持ちが少しだけ分かったよ。

 

 

・ちょっとカッコつけて言うなら、「家族」の概念を徹底的に脱構築して、それでも残ったものに「絆」を見出す作品だったね。

一般的な「家族」の概念は形式的なもので、そんな形式が無条件で「愛」の外部装置にならないことを、作品内で何回も何回も繰り返していた。そして形式が立ち行かない先で本当の「愛」を提示するっていうのが本作の論旨だと思う。

この反形式的な傾向って、性行為やら結婚やら出産やら、事実だけで愛情を表現しようとする凡百のエロゲには真似できないんだよね。田中ロミオ氏の情緒豊かで丁寧な文章力があるからこそ、この作品が成り立ってるんじゃなかろうか。

 

 

・不満点、というか肩透かしだった点は、「家族」と「恋人」の間で生まれる葛藤とかがあまり描かれなかったことかな。春花√で若干あるかなくらい。

どの√も家族計画が崩壊した後に恋仲になってて、そこら辺どうするんだろうと思ってたから意外だった。まあ、「家族」と「恋人」の葛藤は他の近親エロゲで散々やってるからな。別に要らんか。

そういった意味では、司は一貫して家族計画を第一義に考えていたね。「お前だけの正義の味方になる」なんてことはなくて、一人の手で守れるのは一人だけだからって理由で皆が離れることにかろうじて折り合いをつけていた。どの√も最後に家族計画が再興できたのは、司のそんな態度が一貫していたからなのでしょう。

 

 

・一番好きなキャラは青葉か春花。僅差で青葉かな。デレる瞬間がたまらん。

髪の毛結んでるキャラがいたらそいつが一位だったのになー。学生時代の準くらいじゃん、結んでるの。あのCG可愛すぎるのにもったいない。

 

 

 

 

 

 

サクラノ刻 感想メモ

どうも、飛鳥色です。

いつもは作品の感想をXに書いているんですが、サクラノ刻は比較的最近の作品なのとTLに未プレイ者が散見されるので、ブログにネタバレ全開の感想メモを残しておこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

Ⅰ章 La gazza ladra

・全体的に気合を入れて作られたのが分かる章だった。ほぼ出番も必然性もない、麗華の聖ルーアン女学院の制服立ち絵を実装したのには本気を感じた。麗華かわいいよ麗華

 

・静流は可愛くて愉快で、ストライクゾーンど真ん中のキャラ。水上由岐イズムを感じるし、なによりポニテなのが最高。行動的でどこか抜けている感じが真琴を思い出させるのと同時に、鳥谷一族で沙希校長の賢さが頭一つ抜けているというのがわかるね。

 

・特に印象的だったセリフは麗華の

「それが偽物だったら……あの言葉まで偽物になってしまう……」

ってとこ。中村という後ろ盾を失い社会の荒波に呑まれていた麗華は、静流との友情の象徴である雪景鵲図花瓶に縋るしかなかったんだね。友情を守るための思い込みが友情の決定的な破綻を生んでしまうのは、哀しくも美しいですなあ。せめて麗華の審美眼が一流でなければ、あれほど作品に執着することもなかっただろうに……。

 

 

Ⅱ章 Картинки с выставки

サクラノ詩Ⅶ章って感じかな。圭の死によって止まった刻が動き出す、その狼煙となるような章だった。圭について語られるたび泣いちゃうのはどうして(´;ω;`)

 

・もうとにかくルリヲさんがめっっっっちゃ可愛い。元々可愛かったのに新立ち絵差分を引っさげてきて最強になってしまった。『終ノ空remake』の琴美のジト目大好きだったから、その系譜を味わえてうれしい。なんかの伏線なんだろうけど、ア・ロウアワーキウイは流石におかしいよルリヲさん。

 

鈴菜も(ポニテだから)すごく好きなキャラだったので、セリフ多めで助かった。思ったより直哉LOVE勢で可愛い。まだ序盤も序盤だけど、電車の鈴菜のCGは今作の最優秀CG賞を狙えるかもしれない。

 

・特に印象的だったセリフはルリヲさんの

お、オナニーですかー。ほー。オナニーですカァ……

です。理由?聴いてみれば分かる。

 

 

Ⅲ章 Night on Bald Mountain BAD

・寧の技法に気づけなかったの悔しーー!あれだけ丁寧に伏線張ってたら分かってもおかしくないのに……。長山香奈のセリフ聞きながら、「俺の目はとんだ節穴だ」って直哉と全く同じこと思ってた。

 

・心鈴は「やたら人気だけどなんぼのもんじゃい」くらいの認識だったけど、マジでいい子だし行動と言動がいちいち可愛い。そしてバフォメットみたいな瞳が好き。でも流石に2017年時点で抱き枕カバーが販売されるほどではないだろって感じなので、心鈴√に期待ですね。

 

・放哉先生は大体は言うこと合ってるし人間味を感じるし美への愛情も感じるし腐男子だしで個人的には好印象だった。でも話は手短にまとめてほしい。肝心の話し相手が化け物本人で、いまいちピンと来てなかったのも不運なとこ。

 

・特に印象的だったセリフは放哉先生の

「『生』という足で、その大地に立つからこそ、氷の大地には価値がある」

だね。サクラノ詩のpica-picaでは、「月」を天才のみが辿り着ける境地のモチーフとして用いていたけど、冒険家という比喩でウィトゲンシュタイン*1と接続できるなんて!『サクラノ詩』では記憶を取り戻した稟が「ツルツルの氷上」、直哉が「ザラザラの大地」だと解釈していたけど、後々再考が必要になるかも。そもそも引用したセリフが本編で妥当と扱われるのかもまだ分からないしね。

 

 

Ⅲ章 Der Dichter spricht 心鈴√

・俺が間違ってました。心鈴は2017年時点で抱き枕カバーが販売されるほどのキャラです。俺が直哉なら100回繰り返しても100回惚れるな。あと心鈴と直哉の子は才能やばいことになってそう。視線でコンクリート抉れそう。

 

・Hシーンはめちゃくちゃ気合入ってたねー。今までやってきたケロ枕作品じゃ考えられないくらい、一キャラに対しての充実ぶりだった。それにしても、ふたなりになった瞬間から描写のエロさが段違いじゃない?気のせい?

 

・大した分量ではないけど、奈津子ちゃん単独の出番があったのが良かった。それまでずっと桜子の友人Aみたいな扱いなのがちょっと気になっていたので。ああいう芸術を語れない凡人はテーマ的に扱い難しいだろうから、今作で無理なら『サクラノ響』で救済してあげてください。

 

・特に印象的だったセリフは健一郎の

「滅するからこそ、我々は永遠を手に入れる」 「生じるからこそ、我々は瞬間を手に入れる」

だね。最近ちょっとだけ哲学書を読むようになったのだけど、この概念は広い範囲に援用できる気がする。この前後含め、『サクラノ詩』で語られた「瞬間を閉じ込めた永遠」について一歩進んだ考察がなされていることが容易に推察できたが、それを理解するには今の俺は浅学すぎたんで、また後で読み直します。

 

 

Ⅲ章 kibou 真琴√

・真琴推しの自分から言わせていただきますと、ひたすら最高でした。いやー、まこちゃんずっとエッチだったね。歩くエロ人形さんすぎる。割と10年後直哉に近い年齢だから、元同級生と大人の関係になるっていうシチュエーションがクリティカルヒットだった。

 

・ストーリーとしては静流と麗華がメインな感じ。新キャラとしては麗華が一番好きかもしれない。ああいうぶれない人間は敵としても好きだし、味方になる展開だともっと好き。これが正史にならないの可哀想だから、この先のルートでも何かしら報われてほしい。

 

・直哉くん10年経ってめちゃくちゃ告白上手くなったな。詩のときはセックスのなし崩し的に告白とかザラにあったのに……。あんな告白されたら誰でも泣いちゃうよ。一番大事なものだけ得られた直哉と一番大事なものを失い続けた真琴、二人はやはりベストカップルだ。

 

・特に印象的だったセリフは心鈴の

「あれだけの天才に囲まれ、運命の渦のようなものに巻き込まれながらも、自分を見失わない」

です。鳥谷真琴という人間を端的に表した一文だね。さすみす。真琴は何も成しえない人間だけど、それでも嵐の中で自分の道を歩き続けることができる。だから……僕は君を好きでいられたんだ。(すば日々一章)

 

 

Ⅳ章 Mon Panache!

・ここで圭の話なんてされたらね、そりゃ泣きますよ。超泣いた。まさかこの年になって声上げて泣くとは思わなかった。実家なのに。

 

・二つのバイクのシーンはどっちも良き。心が震えるようだった。台詞回しの美しさもそうなんだけど、声優さん方の演技も素晴らしかったね。

 

・一番印象的だったセリフは

世界なんて、もう、どうでもいいんだよ。

です。というか最後の独白は全部やばかった。心鈴とのシーンで「天球の奇蹟」流すのも反則すぎる。ほんと泣き疲れた……。

 

 

Ⅴ章 D'où venons-nous? Que sommes-nous? Où allons-nous?

・え?普通にめちゃくちゃ面白かったけど?事前にⅤ章は微妙とかバトルがいらないとか聞いてたからハードル下げたのが良かったのか?あの展開が考えうる最善だと思ったけどなあ。色々文句が思い浮かぶほど頭が良くなくて助かったのかも。

 

・ムーアパーティーの茶番は全部面白かったけど、校長がいる必要性全くないのが一番面白い。てか今作は全編通して校長が面白すぎる。既存キャラで一番株を上げたの校長かもしれない。

 

・まだ終わってないけど今作の最優秀CG賞は血まみれでたばこ吸ってる優美に決定しました。優美は10年経っても最高の女だったぜ……。俺も優美に首絞められて死にたい。でもち○こ嚙み千切るのは痛いからやめてほしい。

 

・やっぱ最後は弓張学園美術部の力を結集してこそだよな!直哉の発した因果交流の光が直哉自身を包み込むのがこの作品の神髄よ。そして眼鏡外した明石イケメンすぎてビビった。

 

・直哉の声すごく好きだしすごく馴染む。演出とか意図とかギャラとか色々あるんだろうけど、とりあえず『サクラノ詩』の最初から全編喋るようパッチ作ってください。クラファンなら万は払う。

 

・一番印象的だったセリフは優美の

「そういう小さな幸せって、案外、大きな幸せで埋め合わせられないんだなって思うよ……」

です。作品がどうこうというより、単純に好きなセリフ。大きな幸せを追っていても、幸せの感受性は落とさないように気を付けたいわね。

ちなみに次点で好きなセリフは優美の

「にぱっ」

です。俺こんな優美のこと好きだったっけ?

 

 

Ⅵ章 櫻ノ詩ト刻

・嫌だ。終わってほしくない。今はそういう感想しか思い浮かばない。

 

・藍(I)、圭(K)、依瑠(L)なのか。二人目が男なら夏目慈英にしよう。女なら夏目えむで。

 

・ラストのスチルに男二人だけが写っているエロゲってまずないよね。刻は本当に本当に圭の話だった。ああ嫌だなあ、終わるの。早急に『サクラノ響』を出してくれないと精神に変調をきたしてしまいそう。

 

・てか雫どこ?

 

・一番印象的だったセリフは

「当たり前じゃん! 私は、依瑠は、二人の娘なんだからさ。最高に決まってんだろ!」

「こんなノリは、俺じゃないぞ」

「私でもないぞ」

だね。こっちはボロボロ泣いてんだから急に笑わせないでくれ。というか直哉はともかく、幼少期の藍ならワンチャン言いそうな気もする。

 

 

総評

・名作だった。自信をもってそう言える。この作品を心から楽しめる感受性を持っていて本当に良かった。俺は誰になんと言われようとこの物語を肯定するよ。

 

・『サクラノ詩』からは心鈴と圭を中心に物語を再構築し、その上で圭を軸として刻を進めたって印象かな。『サクラノ詩』の終着点からみても圭を主軸に据えるのは自然な流れだし、実際読み進めるにつれて圭へ抱く感情は直哉のそれと同等になっていった。だからこそⅣ章とⅤ章のカタルシスが凄いんだよねえ。

 

・唯一気になったところを挙げるなら、哲学談義が少なかったところ!まあ意図的に減らしたんだろうけどさ、俺はすかぢ先生の哲学をもっと直接味わいたかったよ。でも直接的に話さない分キャラクターの行動なり言動なりで補完されていた感じはあるから、後々の考察がはかどると思っておこう。

 

・そういえば御桜稟の「強き神」との対比は哲学談義という形で明確に行われなかったね。おそらく、草薙直哉の芸術を描き出すことで明示せずとも比較がなされると考えたのだろう。でも肝心の草薙直哉の芸術論が難しすぎて今んとこよくわかんないんだよな。未発?已発?ゼロ・ポイント?全くわからぬ。

ストーリーから考察するとすれば、「弱き神」は有時間的かつ間主観的な連続的不連続性の基に成り立つ「今・ここ」でのみ成立するって感じかなあ。そうするとすんげえでっけえ永遠の相をイメージすればいいのかな?誰か答え教えてください。

 

・別にそういう趣味はないんだけど、何故か直哉と圭のセックスが見たくなった。いや、そういう趣味はないんだけどね!

 

 

 

 

 

 

*1:ウィトゲンシュタインの後期著作、『哲学探究』に登場する「ツルツルした氷の上は摩擦がなく、ある意味条件は理想的だが、歩けない。ザラザラした大地へ帰れ!」という一文を踏まえている。ここでいう「ツルツルした氷の上」はウィトゲンシュタインの前期著作、『論理哲学論考』を指していると解釈されており、それを踏まえて先に挙げた一文を超ざっくり言うと「理想だけじゃだめ。日常も大事だよ!」みたいな感じ。以下は個人的解釈だが、ケロ枕作品は「ツルツルの氷上」と「ザラザラの大地」の対比を度々用いていると思っていて、『素晴らしき日々』では「終ノ空Ⅱ」と「素晴らしき日々」「向日葵の坂道」の対比が該当すると考えている。この辺りについてはここで精緻な議論をする気はないので、また別の機会があれば。

近況報告

お久しぶりです。飛鳥色です。

当たり前のように「お久しぶり」と書きましたが、なんと最終更新日は2年近く前なんですね。ブログの存在すら長らく忘却しており、この度ふとしたことから再び筆をとることに致しました。愛読者の方々に苦しい思いをさせてしまったこと、誠に申し訳なく思っています。嘘です。

2年間と一口に言いましても、自身の内外共に多大な変化がありました。学問に勤しみ、彼女に振られ、今では立派な社会人一年目です。色々な経験を重ねる中で考え方も大きく変わっており、昔のブログを読み返すと苦々しい気持ちでいっぱいになります。

さて、この2年間で考え方が変わったと書きましたが、その多くはデビット・ライス氏に影響されています。卒論含め、私の大学生活はデビット・ライス氏の思考を辿る旅だったと言っても過言ではないでしょう。無論彼の主張全てに賛成出来るわけではありませんが、フェミニズムや現代功利主義など、今まで馴染みの薄かった倫理学に興味を持ったのは、間違いなく彼の影響です。
さらに、「考え方」という点で最も影響を与えてくれたのが、ポジティブ心理学です。ポジティブ心理学に触れることで、私の人生の第一目的は「幸福の追求」へと変わりました。宗教学を学ぶ中で非物質的な概念の重要性に気づいたというのもありますが、今までの私の思考がいかに「認知の歪み」を抱いていたか、そしてそれがいかに間違っているかを知ったときには、まさに人生観を大きく揺さぶられるような感覚でした。

こう書くとなんだか宗教チックですね。でも大丈夫です。確かに理性では幸福追求を求めており、交友関係を積極的に築こうと思うようにはなりましたが、未だに根暗陰キャ性悪短気野郎で、友達すら満足にできません。事実、職場で友達ができず寂しいのでブログを再開したまであります。たとえ思考が変わったとしても、長年染み付いた卑屈さを消し去るには、まだまだ時間が必要そうです。

「善」について

こんにちは、飛鳥色です。

本日は「善」という概念について、日頃考えていることを書き連ねてみたいと思います。なお、偉そうに高説を垂れ流す割に美学や倫理学の知識が全くと言っていいほどないため、どうか浅学の戯言と思ってお読み下さい。

まず、言葉の定義から始めましょう。私の言う「善」は、そのまま「良いもの」くらいに思っておいてください。「善」に対立する概念は「悪」であり、こちらは「良くないもの、存在しない方がいいもの」くらいに思ってください。定義をするといいつつ全く明確化されていませんが、このまま曖昧な定義で使用していくので、明確な定義がないということさえ理解して頂ければ大丈夫です。

さて、今回は作品を例として考えていきましょう。ここでいう作品とは、我々が思い浮かべるような芸術作品の他にも、巷に溢れるポップカルチャーなどの大衆芸術、芸術以外の目的で産み出された周辺芸術も含みます。これらの作品を「善」と「悪」に分類した場合、その線引きはどうなるでしょうか。
私の考えでは、全てのものが「善」です。どれほどつまらない作品でも、どれほど有害な作品でも、「悪」に分類されるべきものはありません。全てが「善」であるため、ある作品への批判や妨害も「善」として捉えています。作品には個別の価値がありますが、価値を失うことも一種の価値の創造と考えているからです。例えば、ある作品が何らかの外的要因で危機に晒された場合、守ることも「善」ですし、壊すことも「善」です。先ほど「悪」の概念にて「存在しない方がいいもの」と書きましたが、ある作品を変容、または破壊してしまう作品は、存在しない時点では可能性にすぎないため「悪」とは言い切れず、変容、破壊してしまったあとでは取り返しがつかないため「善」です。

とはいえ、全ての作品を「善」としてしまっては、保護の観点など存在しない世紀末のような状態になってしまいます。当然全ての作品を「善」と思わない人もいますし(というかほとんどがそうでしょう)、自分の作品を保護して欲しいという要求も出てきます。このような要求と民主主義という方針によって、法の名や多数決という大義名分のもとに「善」と「悪」を分けているのが現状です。
害を産む作品は公共の福祉という観点から日の目を見ることがなくなる他、つまらなかったり不快な作品は人々の「一般常識」に当てはめられ、批判され、消えていきます。このような「善」と「悪」の線引きは議論と多数決でのみ決まり、大勢の権利を守るために少数の表現の自由が制限されてしまっています。私は常々「倫理観」というものを疑っているので、一方的な「悪」という決めつけには閉口せざるを得ません。先ほど「全ては善」と述べましたが、強いて言うなら「悪」と感じる感情だけは「悪」なのではないでしょうか。無論、そうした感情によって優れた作品が生み出されることもあり、存在しない方がいいとは全く考えていませんが。

個別指導講師としての苦労

お久しぶりです。飛鳥色です。

最近個別指導のバイトを始めました。時給はそれほど良くありませんが、ずっと座っていられる上に保護者と関わらなくても良い、さらに同僚の先生方も優しいと来たもんで、さっそく居心地の良さを感じております。こんなことならもっと早く始めれば良かったです。

さて、今回は個別指導をする際にふと思ったことを書き連ねていきます。今まで受験では集団指導のみにお世話になっており、先生に相談したこともほとんどありませんでした。そんな私ですので、個別指導として参考にするような師もおらず、現在は完全に独学で試行錯誤しながら教えています。授業内容は回数を重ねるうちに頭に入ってきて、予習もほとんど要らなくなりました。ですが、まだまだ未熟なところが山ほどあります。

まず、「生徒にとって初めての単元を教えることが下手」という問題です。小中学生の内容など当然常識の範囲であるため、知っているものと思って説明を省く癖がなかなか抜けません。特に成績が芳しくない子などは前の学年で習った内容から忘れていることもあり、上辺だけの説明では理解できないこともあります。また、いざ教えるとなっても、教科書を読み上げるだけになってしまい、私の存在意義が怪しくなってしまいます。かといって初学者に応用の知識を教えるわけにもいかず、とりあえず問題を解かせることに頼りきりになっているのが現状です。もっと熟練度を上げていけば生徒に合わせた説明が出来るようになるのでしょうが、画一的な説明すら覚束無い現状では望むべくもありません。

他にも、先述した問題にも関係しているのですが「何故分からないのかが分からない」という重大な問題があります。長年勉強をする上で設問を解くコツが不文律として脳内にインプットされており、「解けるけど何故その発想に至ったのか言えない」という事態が頻出しているのです。きっと巷にある参考書には解答を導き出すためのポイントなどが明文化されていると思うので、そのような書籍からエッセンスを拝借するのが手っ取り早い方法なのでしょうが、罪悪感と金銭の負担で二の足を踏んでいる状態です。

最後かつ最大の問題として、「生徒とコミュニケーションがとれない」という個別指導としては致命的な欠陥が私に存在します。長年内向的な性格を磨き続け、少数の友達とのみ馴れ合ってきた身としては、年齢も偏差値も性別も全く違う生徒たちと話す術を持ち合わせていませんでした。結果として雑談もなしにひたすら問題を解かせる堅物講師と化しており、個別指導の良さが丸潰れです。先に挙げた問題は何となく解決法が思い浮かびますが、この問題は性格の矯正でもしない限り解決しない気がします。加えて耳が悪いため生徒の声が聞き取りづらく、話す内容があっても返答出来ません。意思の疎通は円滑な授業の進行だけでなく生徒のやる気につながる大事な要素なので、何とかして話術を身につけたいところですが、解決への糸口も見えません。どうすれば年頃の女子と話題を合わせられるようになるのか、どなたか有識者の方教えてください。